2018年3月3日土曜日

仕事道具17_カラーキャリブレーション

液タブを導入し、以前からあったモニタとあわせてマルチモニタ環境となったことで、カラーマッチングの問題が浮き彫りとなった。
メインモニタだったEIZOのColorEdge CG277はキャリブレーターを内蔵し、ColorNavigator 6という同社のソフトを使うことで、カラーキャリブレーションが可能だが、他社のモニタが混在したマルチモニタ環境には対応していないようだ。
しかたがないので、お金を出してキャリブレーションツールを購入した。


(写真1)

X-rite社のColorMunki  Displayという製品。アマゾンで¥23,243円。

今回カラーキャリブレーションをするにあたって参考にさせてもらったのは
カラーマネジメント実践ブログ 〜フォトレタッチの現場から〜
というサイト。カラーキャリブレーションのやり方が手順を追って詳しく書いてあり、大変参考になった。
一口にキャリブレーションツールと言ってもアマゾンで検索すると安いもので一万円台から数十万円するものまであり、途方に暮れてしまうが、上記のサイトに使用目的別に各製品の違いが書かれており、製品を選定する上でも参考になった。
僕は最終目的が紙に印刷するイラストの制作なので、ColorMunki  Displayを購入することに決めた。


(写真2)

パッケージには写真のようなコンパクトなUSBデバイスと、専用ソフトをインストールするCD-ROMが同梱されている。WIN/MAC両対応で、キャリブレーションソフトは日本語化されている。

しかし紙の説明書は必要最低限のインストール方法が書いてあるだけで、キャリブレーションのやり方についてはまったく書いていない。「カラーマネジメント実践ブログ」の記事を参考にしながらやっていくことになる。

X-rite社に製品登録する際にシリアルナンバーとレジストレーションコードが必要になるのだが、シリアルナンバーはわかったものの、レジストレーションコードがどこに書いてあるかわからず、サポートにメールで質問するはめになってしまった。
深夜にもかかわらずすぐに返答が来て解決した。好印象である。
インストールしたソフトのメニューから製品登録すると、レジストレーションコードが表記されていた。

こうした細かいトラブルはあったものの、カラーキャリブレーション作業そのものはモニタ一台あたり5分少しで終わった。
具体的な設定を参考までに書くと、白色点はD50、白色点の輝度は80cd環境光のスマートコントロールは無し、フレア補正無し。


(写真3)

写真はつーちゃんの仕事用iMacをキャリブレーションしているところ。


(写真4)

キャリブレーション完了した液タブとメインモニタ。
写真ではわかりづらいが、色味の出方がかなり近くなった。
ColorEdge CG277の方が鮮やかな色が出るのだが、これはモニタ自体の性能の差で、キャリブレーションではどうにもならない部分。
少なくとも、液タブでオーカー(黄土色)で塗ってるつもりがメインモニタで見たら黄緑色だった、なんてことはなくなった。

これでマルチモニタ間でのカラーマッチングの問題は解決したわけだが、これをプリンターで出そうとするとまた複雑な問題が立ちあがる。
僕はちゃんとしたカラーデータを出力する時は、CanonのA3インクジェットプリンターPIXUS PRO-100を使用している。
CanonのサイトからダウンロードできるPhotoShopCC用のプラグインソフトPrint Studio Proを使うことで、ICCプロファイルを使用した高度なカラーマッチングプリントができると知り、これと純正フォトマットペーパーを組み合わせるとこでかなり納得のいくプリントを得られるようになった。
まあ試行錯誤の段階で大量のプリンタインクと紙と時間を無駄にしたのだが…。

モニタはカラーマッチングした、プリンタもOK、これで終わり……ではない。
印刷した物を見る時は、その照明の色にも気をつけなければならないのだ…!!
仕事部屋の照明をすべて交換するようなお金はないので、今回はデスクライトの交換だけでがまんすることにした。


(写真5)

山田照明のZ-LIGHT、Z-80PROIIB。¥ 18,506円。
Ra97という高演色のLEDを搭載したモデル。

この前に使っていたのは同じ山田照明のZ-LIGHT、Z-10Bで、大変気に入って使っていた。
僕はLEDのデスクライトが出始めたころからいろいろと買っては試し、暗すぎたり、多重影が出たり、アームがやわだったり、シェードがプラッスチッキーで安っぽかったりと数多くの失敗をしてきた。
やっと数年前にZ-10Bに出会い、明るさも充分(可変式)、影も柔らかくアームもしっかり、シェードもアルミ製で高級感があり、LEDデスクライトの決定版として愛用していた。
色が青白いとしても「LEDとはそういう物だ…」と諦めていた。モノクロのマンガ原稿を描く上では色はあまり関係がないし。

しかしいつのまにかLED照明も進歩し、高演色性を売りする製品が出始めていたのだった。今回カラーマッチングについて調べている過程でZ-80PROIIBを知り、購入した。
買って間もないのでそれほど使っていないが、使いやすさは以前のZ-10Bと同じ。色の見え方は赤みが鮮やかに見え、明らかに違う。
予定外の出費は痛かったが、買って良かったと思う。